よくビジネスシーンなどで見聞きする言葉である「ご承諾(ごしょうだく)」。
「ご承諾いただき~」や「ご承諾ありがとうございます。」などと使いますがどんな意味がありどんな場面で使う言葉なのでしょうか。
そんな本日は「ご承諾」の意味と使い方、そして敬語や類語、例文について詳しく解説したいと思います。
「ご承諾」の意味と使い方は?
まず最初に「ご承諾」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。
「ご承諾」という言葉は、「承諾」という名詞に、漢語についての丁寧な表現をつくる接頭語「ご」をつけた形になっています。
読み方は「ごしょうだく」です。
古い時代には「じょうだく」と濁った発音もあったようです。
「ご承諾」の「承」という漢字は、会意文字です。
「身をかがめる人」を、「両手」と「手」で囲むような形になっています。
すなわち、「承」は、人を両手で持ち上げながら「受け取る」ことを意味するとされます。
ここから「聞く」、「受ける」、「たまわる」といった意味合いを示すようになりました。
また「諾」は、会意文字であり、形声文字です。
ごんべん「言」に「若」という字から成り立っています。
「言」は「取っ手のある刃物」と「口」の形から、「つつしんで言う」という意味を示すものです。
一方の「若」は、「髪をふりみだし、我を忘れて神意をききとる巫女」の形を表すとされます。
そこで「神意に従う」という意味から、「諾」は「言葉でこたえる」、「承知する」などの意味になったとされます。
このように「承諾」は、 一義的には「他人の依頼・要求などをもっともなことと思い、引き受けること」を意味します。
つまり、他人の依頼や要請を聞き入れ、了解し、その通りに行動するということです。
なお、法律用語としても「承諾」は使われることがあり、その場合は「申し込みの意思表示と結合して、契約を成立させる意思表示」を示す言葉となります。
平たく言えば「契約を交わすことのOKサイン」ということですね。
これらの丁寧な言い方が「ご承諾」であり、基本的には、相手に対して何かを依頼し、引き受けてほしい場合に、相手を敬って申し述べる際に使用します。
ちなみに、「承諾」と類似の表現に「受諾」という言葉もありますが、これも意味合いとしては「相手の申し入れや提案を引き受けること」であり、ほぼ同義です。
ただし、「受諾」は公的な提案・要求などを正式に受け入れる意を表します。
歴史教科書などで「ポツダム宣言の受諾」といった表現を目にしますね。
これに対して「承諾」は、相手からの申し出や頼みごとを受け入れることを広く指し、「公的」というニュアンスは薄れるといえます。
その意味では「受諾」や「承認」などより、ビジネスなどで一般的に使用する用語だといえるでしょう。
「ご承諾」を敬語に言い換える場合は?
次に「ご承諾」を敬語で使う場合を見ていきましょう。
「ご承諾」は、前述したように、他人の依頼や要求を引き受けることを丁寧に述べる表現です。
そこには「相手の言い分をもっともと思い、引き受ける」という、「納得した上で」というニュアンスがこもります。
すなわち、しぶしぶ引き受けるのではなく、相手の依頼や要望に理解を示すという感情が含まれるわけです。
「ご承諾」は丁寧語をつくる「ご」が付いていますので、すでにこの形のままでも敬語として使用できます。
なおこの場合は、承諾する行為を行うのは相手ですので、敬意を表すべき対象者について、「納得してほしい」、「引き受けてほしい」旨を伝える際に使う敬語表現となります。
引き受ける動作をする人を敬う言い方としては、「お聞き入れください」、「ご了解ください」、「ご了承願います」などと言い換えることもできます。
「ご承諾」の類語や例文が気になる!
最後に「ご承諾」の類語や例文をご紹介したいと思います。
「ご承諾」の類語としては、次のようなものがあります。
◆類語
- ご賛同
- ご承知
- お聞き入れ
- お申し合わせ
- お取り決め
- ご納得
- ご契約
- ご同意
- ご約定
- お約束
- ご諒解
- ご許諾
などがありますね。
「ご承諾」の例文としては、次のようなものが挙げられます。
◆例文
- このたびはご承諾いただきまして、誠にありがとうございました。
- 以上の通り、ご承諾いただきたくお願い申し上げます。
- ご承諾賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。
- 規約をご精読いただき、ご承諾のうえ、ご応募ください。
「ご承諾」の類語と例文をまとめてご紹介しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ご承諾」の意味と正しい使い方、そして敬語、類語、例文を詳しくご紹介しました。
「ご承諾」という表現方法は主にビジネスシーンなどで多く使われる言葉なので意味や使い方をしっかりと頭に入れておきましょう!