みなさん、普段生活している中で「ご教授ください」という表現を使ったことはありますか?
漢字から何となく意味が想像できそうなこの言葉、実際に言ったり聞いたりしたことがある方は少ないのではないでしょうか。
普段、あまり聞きなれない「ご教授ください」という言葉は具体的にどのような場面で使われるのか、意味と正しい使い方、そして気になる例文も見ていきましょう!
「ご教授ください」の意味と使い方は?
まずは「ご教授ください」の意味を見ていきましょう。
意味をご説明する前に念のため「ご教授ください」の読み方もおさらいしておきます。
「ご教授ください」と書いて【ごきょうじゅください】と読みます。これは大丈夫ですよね?(笑)
「ご教授ください」は、「教えてください」の丁寧な言い方で「教授」とは、専門的な学問や技術・芸事を伝え教えることです。
特定の学問や技芸に精通した人や経験の豊かな人に、その技を”伝授してください”とお願いする意味になりますね。
「教授」と同じような意味を持つ言葉として、「指導」「教育」「指南」「伝授」「ご指導ご鞭撻」「エデュケーション」などがあります。
この他にも「手ほどき」「いろはを教える」といった言葉や、「師と仰ぐ」「手本とする」「薫陶を受ける」なども仲間にあたる表現と言えます。
ちなみに「教授」と同じ響きであるため間違いやすいのが「享受」です。
「享受」とは何かを受け取る、恩恵を受けるという意味です。
「教授」とはまったく異なる表現ですので、誤って使わないように注意しましょう。
「ご教授ください」と「ご教示ください」の違いを教えて?
次に「ご教授ください」と「ご教示ください」の違いについて詳しく見ていきたいと思います。
「ご教示ください」と「ご教授ください」は、教えてほしい内容によって使い分けます。
「ご教示ください」は、相手が持っている知識や方法を知りたい時に使う表現です。
教授に比べて単純で、容易に教わることができる内容という認識ですね。
具体的には、次のような使い方をするので、例文を交えてご紹介しておきましょう。
■例文
- 先日の調査の分析結果をご教示いただけますでしょうか。
- ご意見やご要望がございましたら、ぜひご教示ください。
- 今回の出店計画について、周辺情報収集の方法をご教示いただけたら幸いです。
ビジネスのメールなどでは、知識や情報を相手に求めることが多く「ご教示ください」を使うのが一般的と言えます。
「ご教授ください」は、より専門性の高い学問や技能などの伝授ですから、何に対しても「ご教授ください」と言うと、少し大げさな響きになってしまいます。
ぜひ上手に使い分けていきましょう。
「ご教授ください」の例文も教えて?
それでは「ご教授ください」を使った例文をご紹介します。
■例文
- 長年研究なさっている西洋美術について、ぜひ私にご教授ください。
- 先生が歴史学を深くご教授くださったおかげで、町の文化発展に貢献できました。
- 数々の大会で優勝なさった剣道の技を、学生たちにご教授くださいませんか。
目上の人に対する尊敬をこめた「ご教授ください」ですが、話し言葉としては「ご指導ください」や「お教えください」でも意味が伝わります。
例えば次のような言い方です。
■例文
- 部長のプレゼンテーションの技術を、ぜひ私たちにもご指導ください。
- 海外のサッカーチームで活躍してきたプロの技を、日本の若い人たちにぜひお教え願えませんか。
相手との関係性や場の状況に応じて、柔軟に表現していきましょう。
ビジネスをはじめさまざまな場面で、相手に何かを教えてもらいたいことは数多くあると思います。
特に目上の人や社外のお取引先などに教えを乞うときは、配慮が必要でしょう。
状況に合わせて「ご教授ください」と「ご教示ください」を使い分けて、コミュニケーション上手を目指したいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「ご教授ください」の意味や正しい使い方、そして例文をご紹介しました。さらに「ご教授ください」と「ご教示ください」との違いも一緒に見てきましたね。
時と場合によって「ご教授ください」と「ご教示ください」を使い分けるようにしましょう!
なんでもかんでも「ご教授ください」で表現してしまうと正しい使い方とは言えなくなってしまうのでその都度、TPOに応じて使い分けるのがベストだと思います。
【バカのひとつ覚え】にならないようにビジネスシーンで活用して行きたいですよね。